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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第111号       ’01−10−19★

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     する文化、しない文化     

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●10月8日の朝、

 

郵便受けから新聞を取り出し、開いて、うーむ、、、 どうしても、か、、、

結局、やるのか、、、。 米英、アフガン攻撃開始! の見出しでした。

 

準備のためだったかタリバンの翻意を待っていたのか、報復を宣言した

割には静かな日が続いたので、あるいは、、 と思った私は<日本人>。

 

いや、言い出したからにはアメリカ人、必ずやります、と警告していた

<識者>を見直しました。 技法的に言えば<発言には必ず狙いがあり、

それが及ぼす影響も計算済み>。 狙いの無いことはしない、無意味な

ことは言わない人種なのです。  即ち攻撃開始は、論理的検討の結果。

 

我が国の政治屋クラスと違い、ジコチュウやウッカリはまずありません。

十分論じて決め、それを言う。 言うことは、従って<する>。 これ

を、第1種の有言実行、とでもしておきましょう。

 

第2種のはいわば自己催眠。 可能性は後回し、その意思表明によって

自らを奮い立たせ、それを達成して尊敬を獲得する、、ことが出来れば

良いが、出来ないと、、 法螺吹き。  カッコイイが、かなり運頼み。

 

第1種は Rational だが、第2種は何より心意気。 筋立てしてかかる、

しないでかかる、の違いは大きい。 <日本的な第2種>の目でいくら

見つめても、<第1種の彼ら>を理解することは出来ません。

 

 

いや<彼ら>同士でも必ずワカルわけじゃない。 アメリカの報道関係

者で国の方針を支持している人でも、ビンラディン犯人説を確信できず、

「政府が十分な情報を持っていると<信じたい>」なんて言う。  が、

 

ホンネは「信じ<がたい>」ようです。 10月7日の<CBS特集>

は、あのテロ事件直前の現地取材でしたが、 '98年当時のトマホークに

よる報復攻撃が公式発表のような成果を挙げていなかったことや、

 

ビンラディン殺害に失敗しただけでなく、民衆に深い憎悪を植え付ける

結果になっていたこと、政府関係者も(今だから、か?)失敗だったと

認めていることを伝えていました。 それでもまたやるんだよな、彼ら。

 

*   *

 

要するに、「すべきだ」となれば、徹底的に「する」国民性なのですね。

時にはやりすぎにもなる。 ゲリラはジャングルを歩く、叩くには木の

葉が邪魔だ、、 で<毒物>をタップリ撒いてしまったのもその一例。

 

1960年代早々渡米し、エンジニアとしてシカゴに住み着いた友人に、昔

訊きました。 移ってから、戸惑ったとか、馴染めなかったことは?

「いや、何も。 こうだろう、と予測していた通りの連中だったよ」。

 

どう予測したの? 「すべきことは手を抜かず徹底的にする、ってこと」。

それが分かったのは? (彼は私の Hi-Fi 道の師匠ですが、学生時代)

「秋葉原で米軍払い下げのジャンク(使える国産パーツが昔は無かった)

を漁って、使い余りはバラして色々<研究>したもんだけど、

 

<こうしなきゃ>ということはすべて必ず<そうしてあった>からね」。

なるほど、そういう連中なんだ、とバラすたびに確信が深まったという。

人間性もカウンター・エンジニヤリングできるわけです。  なら、 

 

*   *   *

 

バケツで放射性物質を、、が示すのは、すべきことを知らない、だから

しない、ここはサカサマの国、ということ。 知っていてしない、こと

すらある。  たとえば前号末尾の、建設時には無かったが、気付くや

 

直ちに設置したという<WTCビル、階段室与圧装置>。 その情報が

コチラのその筋に届いていないはずはあるまいが、我が国の超高層ビル、

それが設備されている例はほとんど無い、、 と専門家は言う。 

 

<階段室>は何のため? <逃げるため>なら、超高層を降りきる間は

<ガス室>になっては困る。 当初そこまで思い付かなかったとすれば、

それは MUST や WANT の論議が不十分だったということ。 その後に

 

授かった情報を追加して在来の構造を評価し直すDAを行なえば、改善

案のヒントは容易に得られます。 たとえば<Xビル、階段室安全補強

策の選定>。  そう検討した上での<ほとんど無い>現状、かどうか。

 

そんなこと分かってるんだよ。 ただ、カネがかかるからね、、かな?

分かっていてもしない、がまかり通るコトナカレの我が国。 「問題は

<人間>が起こす」は第2号のタイトル。 すべきをせず、起こす国。

 

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●外観や口先がどうだろうと、

 

良いことをする奴は良い奴、悪いことをする奴は悪い奴。 <性格>は

必ずしも抽象的な概念ではなく、<その人の行動>という具体的な形で

見て取れるもの、とは確か宮城音弥教授の説。 

 

じゃ、何もしない奴は?、、、 何の役にも立たない奴。 じゃ、良い

とも悪いとも言えないことをする奴は?  ハーイ、国会議員デース!

 

たとえば<牛肉試食パフォーマンス>。 どんな MUST、WANT であんな

ことしたのやら? どの狙いが、どう満たされたのだろう? 狙いすら

定かでなく、事後のチェックも無かった、とすればはただのバカ騒ぎ。

 

バカなことをする奴はバカ、に決まってる。 バカをやる時は、せめて

<マイナス影響>くらい、事前に見ておかなくちゃいけません。

 

 

たしか、0−157騒ぎでも<カイワレ>を<食べて>見せてくれたが、

疑われた農園はそんなことじゃ救われなかった。 大臣が不確かな発言

をする前に、僅か数秒間、PAの(IS、IS NOT)チェックにかけていれば、

「カイワレだけでは起こり得ない」と断言できたはずです。  つまり、

 

あの農園のカイワレを用いたすべての小学校で患者が発生したわけでは

なく、IS NOT があった。 また、小学校で使われたカイワレは、その

農園の出荷量の僅か1割。 残り9割を売り広めたスーパーでは患者は

出ていなかった。 同じカイワレなのだから、スーパーも IS NOT では

あり得なかったはず。  カイワレ原因説は一発でアウトに出来ました。

 

猿芝居みたいなパフォーマンスより、よほど説得力があったでしょうに。

 

*   *

 

話の筋を立て、善良な納税者を守るべきだったが、政府、役人、政治家、

いずれもあまりにしなさ過ぎました。 たとえば、(小沢一郎説では)

湾岸戦争以来10年(彼は叫び続けたが)、憲法や自衛隊関連法の改正

に、誰も手を下そうとしなかった。  そのため今回は大慌て、

 

文字通り便法としてジュゲムのように長々しい名のテロ対策法案を提出

し、自衛隊機を飛ばせはしたが、それが現地に着く前、しかもその法案

の審議前、にドンパチ始まってしまった。  何て間が悪いんでしょ、、

 

<何もしない>ことに慣れすぎたのが運の尽き、たまに<する>時には

神様も横を向いてしまわれる感じです。 すべきことをしない公務員は

<すべきことをしない罪>で厳罰に処する、とでもしなくちゃ、ねえ。

 

何とかネジを巻こうと奮闘中の小泉首相、お疲れ様です。

 

*   *   *

 

疲れのせいだろう、<旗>を<蛙>にしてしまった9日午前の参院予算

委員会答弁。 アーミテージ米国務副長官の< Show the flag >発言が

「日の丸が見たい」という妙な翻訳で伝えられたのは周知の事実ですが、

 

首相は「じかには聞いていない。 新聞で知った」由。 さて、誰が?

副長官と話し合ったのは柳井大使。 <日の丸>と訳したのは彼だった

のだろうか? それとも外務省の誰かか? マスコミか?

 

大橋巨泉議員に講義を受けるまでも無く、辞書に「主張、見解、立場を

明らかにする。 〜を代表する。 要求を突き付ける。 一応顔を出す」

とある通りで、<日の丸>になるわけ無いこと、常識です。  私なら

 

<一応顔を出す>を採りますね。 その解釈なら、あまり喜ばれそうも

ない物資を、オシルシの数量、バイク並みの低速で運んだことにも筋が

通せるでしょうから。

 

ベーカー大使は「副長官がそこまで望んだとは思わない」と。 今さら

遅すぎますよ。 人が悪い。 いやあ、外交って、ホントに謎ですねえ。

 

*   *   *   *

 

私が訊きたいのは、柳井大使がどう解釈したのか、です。 彼が<日の

丸>と伝えて来たのなら、英語力か意図に疑問がある。 我が国のマス

コミがこぞって誤訳的報道に終始していたのを彼が知らないはずは無い

と思うが、マスコミに訂正を申し入れた、とは聞いていない、でしょ?

 

意図的誤訳がどこで行なわれたにせよ、副長官と言葉を交わしたのは彼

なのだから、アチラの本意が正しく伝わっていないと見て取ったら直ち

に厳重な申し入れをするか、是正のための声明を発表すべきでした。

 

彼が<正しい意味の伝達を心がける人間>であるなら、そうすべき、と

思わなかったはずが無い。 しかし、しなかった。 すべきことをせず

にいて許される日本、を代表するにはふさわしい人、ですな彼は。

 

そんな人が、<すべきことは徹底的にする>文化、の国に駐在している。

どう見ても、マンガ的コントラスト。

 

*   *   *   *   *

 

不思議で仕方ないのは、<歴代事務次官経験者4名更迭>論で外務省が

揺れた時、その柳井大使だけは残したい、とあの田中外相が粘ったこと。

 

そしてその後、外相の主張通りの体制になっているのに、外相と大使の

間柄は良くない(ように見える)のだからさらに不思議。 戦争は男の

仕事、、 にしても、攻撃開始!が外相に知らされないようでは、、

 

やむなく深夜自らハンドルを握って官邸へ駆けつけた外相は、機密情報

を漏らす人であるがゆえ、と印象づけられた形で、気の毒の限りでした。

かりそめにも一国の外務大臣、あのように扱って良いと私には思えない。

 

あるいは外相、<すべき、でも、しない>伝統に背いたためにホされて

いるのかも知れないが、この非常事態にイジメもシカトも無いだろうに。

 

<伝統>への反逆を叫んで国民の支持を得た首相。 さては変節か?

やはり<第2種>を演じるだけの男でしかなかったのか?

 

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アチラとコチラ、第1種と第2種の<有言実行>。 両者を円滑に通じ

合わせることは至難ですが、第1種が大勢を占める国際社会。 コチラ

からアチラに合わせるほかありません。 それには、目で見える形が、、

 

そう、 Rational Process は < Show the Flag > のツールなのです。

 

国際外交の深い謎を一挙に解き明かすほどの威力がある、とまでは胸を

張りませんが、謎は謎として、それにおいて尚トラブルを生じさせない

ためには使える技法です。  いや、使うべきだ、、、

 

と言いかけて思い出しました。 地方自治体のEM法採用は二、三あり

ましたが、霞ヶ関や永田町からお呼びがかかったことは無かった、と。

 

<第2種>人種だから Rational Process に馴染まないのか、Rational

Process を用いないから<第2種>から抜け出られないのか、、、?

うーむ、 That is the question.

                          ■竹島元一■

 

  ■前号から、文末に、画像のオマケを付けることにしました。

   左脳本位の文章にお付き合い頂いたお礼に、右脳的<私の

   写真集から>でお疲れ直しを、という狙いです。 リンク

   有効期間は、通常、次号配信までの1週間、と致します。■

 

      ★<私の写真集から> レクチャー

 

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